『マーケットのテクニカル分析』(ジョン・J・マーフィー)を読んでいて、支持線と抵抗線について学んだのでまとめておきます。チャート分析のいちばん土台になる考え方ですね。
支持線と抵抗線とは
- 支持線(サポートライン)……株価が下がってくると「そこで下げ止まりやすい」価格帯。過去に何度も反発している安値の水準
- 抵抗線(レジスタンスライン)……株価が上がってくると「そこで頭を抑えられやすい」価格帯。過去に何度も跳ね返されている高値の水準

ここまではよく聞く話なんですが、面白かったのは「なぜただの過去の価格に、そんな力があるのか」という理屈の部分でした。要するに、その価格帯には「事情を抱えた投資家」がたくさんいるから、みたいです。
たとえばある株が1,000円まで下がるたびに反発してきたとします。すると市場には、
- 1,000円で買って儲かった人 → 「また1,000円に来たら買おう」
- 1,000円で買いそびれた人 → 「今度こそ1,000円で買いたい」
- 高値で買って含み損の人 → 「せめて買値近くまで戻ったら売りたい」
という注文予備軍が積み上がっていきます。1と2の買いたい人が集まる水準が支持線になって、3の「やれやれ売り」が出る水準が抵抗線になる。線の正体は、投資家の損得勘定の集合体なんですね。これを知ってから、水平線を引く意味がだいぶクリアになりました。
使い方の要点
1. 何度も反発している水準に水平線を引く
きれいな1本の線というより「価格帯(ゾーン)」でざっくり捉えるのがコツのようです。
2. 線の「強さ」を評価する
同じ線でも重要度が違っていて、目安は3つ。
- 試された回数と期間……何度も反発している・長く意識されている線ほど強い
- 出来高……その価格帯で商いが膨らんでいるほど「事情を抱えた人」が多い
- 直近かどうか……何年も前の線より、最近できた線の方が今の相場に効く
3. 反発かブレイクかで行動を決める
- 支持線で下げ止まる → 押し目買いの候補
- 抵抗線を明確に上抜ける → 抑えていた売りが消化されて上値が軽くなったサイン
- 支持線を明確に割り込む → いったん撤退を検討するポイント
役割転換(サポレジ転換)
面白かったのがこれです。抵抗線だった水準は、一度上抜けられると今度は支持線として機能しやすくなるそうです。「跳ね返され続けた線を超えたあとの押し目は、その線まで」という見方ができるんですね。

試しに直近1年の日経平均で、反発回数の多かった水準に機械的に線を引いてみました。

強い上昇相場だったので線は主に「下値の目安」になっていますが、52,600円あたりの線は、年末年始に頭を抑えていた水準がその後の押し目で下げ止まりの目安に変わっていて、役割転換の実例っぽく読めます。
節目の数字と損切りの置き場所
もうひとつ刺さったのがキリのいい数字(節目)の話。日経平均の4万円とか、個別株の1,000円みたいな数字は、チャート上の根拠がなくても多くの投資家が注文を置くので、支持線・抵抗線と同じ働きをするそうです。
だからこそ「損切りの逆指値を節目ピッタリに置くのは避けたほうがいい」と。同じ場所に損切り注文が集中するので、そこを一瞬だけ刈り取るような動きに巻き込まれやすいんですね。支持線のすぐ下に置いた損切りだけ約定して、そのあと何事もなかったように反発していく……というのは自分も経験があるので、これはかなり納得でした。逆指値は少しずらして、ロットの方で調整するのが良さそうです。
まとめ
- 水平線は「1本の線」ではなく「ゾーン」で引く
- 線の強さは「試された回数・期間」「出来高」「直近性」で見る
- 抵抗線を上抜けたら支持線に変わる(サポレジ転換)
- 逆指値は線・節目ピッタリに置かない
今回読んだ本
ジョン・J・マーフィー『マーケットのテクニカル分析』(パンローリング)。テクニカル分析の定番として読み継がれている本で、「なぜそうなるのか」の理屈が丁寧なのが良いところです。辞書みたいに分厚いので、気になる章からつまみ読みしています。続きもまた書き留めていきます。




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