先週の日経平均は1週間で−4,416円という強烈な下げに見舞われ、私のポートフォリオもしっかり被弾しました。Xの高配当株界隈では「ホンダの利回りが4.5%に復活」「積水ハウス4.1%」といった“利回り復活”の報告が増えてきて、界隈全体がそわそわし始めています。
ここ半年の相場を振り返ると、資金はAI・半導体関連に一極集中していて、高配当株は正直「置いてけぼり」気味でした。ところが先週AI株が崩れた途端、今度は逃げ出した資金の受け皿として高配当・バリュー株が物色される──そんな資金ローテーションの構図がはっきり見えた1週間だったと思います。
私自身、日経平均が下がり始めたのを見て「ようやく利回りが戻ってくるか」と買い時を探っていました。ところが実際に起きたのは逆で、日経平均は下がっているのに、高配当株には資金が流れ込んで株価は上昇、利回りはむしろ低下。せっかく待っていた下落相場が来たのに、欲しい銘柄だけがどんどん買えなくなっていくという、何とも歯がゆい展開になっています。
そこで「ついに待っていた暴落が来たか!」と、今年3月の下落局面で作った「X界隈で話題の高配当株リスト」の答え合わせをやってみました。結論を先に言うと、拍子抜けです。調べてみたら、これは全然「暴落」ではありませんでした。むしろ3月と比べて利回りは軒並み悪化していて、突きつけられたのは「結局、高配当株の買い時っていつなんだ?」という永遠の課題でした。
(※株価・指標は2026年7月24日時点のデータに基づく。一部銘柄は前日終値。「3月」の利回りは前回記事の2026年3月21日時点データ。銘柄名クリックでYahoo!ファイナンスへ遷移します)
📉 まず前提:日経平均そのものの答え合わせ
個別銘柄を見る前に、指数の水準を確認しておきます。「暴落」という言葉の印象と実際の水準が、まるで違ったからです。
| 指数 | 3月の安値圏 | 7/24終値 | 3月比 | 7/24当日の下落率 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 51,063円(3月末終値) | 64,611円 | +26.5% | −2.7%(−1,811円) |
| TOPIX | 3,447(3/23安値) | 4,011 | +16.4% | −1.05% |
前回リストを作った3月は、中東情勢の悪化で日経平均が月間13%安・終値51,063円まで叩き売られた、まさに全面安の渦中でした(TOPIXも3/23に年初来安値3,447)。それが4ヶ月でAIラリーに乗って日経は68,500円前後まで駆け上がり、先週から今週にかけて64,611円まで急落──たしかに直近ピークからは約4,000円の下げですが、3月末と比べればまだ26.5%も高い水準での調整に過ぎません。「指数がこれだけ下がったのだから高配当株も安いはず」という感覚が、そもそも錯覚だったわけです。
そして注目してほしいのが日経平均とTOPIXの差です。3月からの上昇率は日経+26.5%に対してTOPIX+16.4%。この差の約10%分が、AI・半導体の巨大株が「日経平均だけ」を持ち上げていた分です。さらに急落した7/24当日を見ると、日経−2.7%に対してTOPIXはわずか−1.05%。下げているのはあくまでAI銘柄を多く抱える日経平均側で、高配当・バリュー株の比重が大きいTOPIX側はほとんど無傷──「日経平均は暴落しているのに、自分の欲しい高配当株は下がらない」という冒頭の歯がゆさは、この2つの指数の差にそのまま表れています。
😱 答え合わせ①:あの「利回り4%超の主力候補」たちは、当然のように利回り低下
まずは3月時点で利回り4%超だった第1グループの代表格から。
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| 銘柄名 | コード | 株価(7/24) | 利回り(今回) | 利回り(3月) | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 本田技研工業 | 7267 | 1,536円 | 4.56% | 5.38% | ▼低下 |
| ヤマハ発動機 | 7272 | 1,298円 | 3.91% | 4.54% | ▼低下 |
| 積水ハウス | 1928 | 3,536円 | 4.10% | 4.15% | →ほぼ同じ |
| 日本たばこ産業 | 2914 | 6,461円 | 3.75% | 4.14% | ▼低下 |
| 日本製鉄 | 5401 | 616.9円 | 3.89% | 4.05% | ▼低下 |
結果はご覧の通り、ほぼ全員利回り低下。ただ、前提で見た通り指数自体がまだ3月より26%も高いのだから、これは当然の結果です。間違っていたのは銘柄たちではなく、「暴落が来たから利回りが上がっているはず」と期待した私の方でした。
カラクリはさっきの資金ローテーションです。下げの主役はあくまでAI・半導体で、そこから逃げた資金の一部が高配当株に流れ込んでくるため、指数が暴落している日でも高配当株の下値は固い──どころか、逆行高になる銘柄すらある始末。「日経平均が下がったら高配当株を買おう」と待っていた身からすると、指数と一緒に下がってくれないのだから梯子を外された格好です。ホンダは利回り5.38%→4.56%で、X界隈では「4.5%に復活!」と話題ですが、3月に拾えた人は5%超で仕込めていたわけで…あの時の自分に「もっと買え」と言いたい。
🏦 答え合わせ②:「一番拾いがいがある」と書いた損保・金融は大幅上昇
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| 銘柄名 | コード | 株価(7/24) | 利回り(今回) | 利回り(3月) | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京海上H | 8766 | 8,116円 | 3.02% | 3.50% | ▼低下(株価+35%) |
| MS&AD H | 8725 | 4,898円 | 3.47% | 3.85% | ▼低下(株価+22%) |
| 三菱UFJ FG | 8306 | 3,754円 | 2.56% | 2.76% | ▼低下(株価+40%) |
| 三菱HCキャピタル | 8593 | 1,439.5円 | 3.54% | 3.15% | ▲上昇(増配効果) |
| KDDI | 9433 | 2,922.5円 | 2.87% | 3.00% | ▼低下 |
3月に「今回の下落で一番拾いがいがありそう」と書いた損保・金融セクターは、そこから株価が2〜4割上昇していました。東京海上は6,032円→8,116円。しかも先週のAI急落の場面でも、損保株は逃げてきた資金の受け皿として逆に物色される側でした。答え合わせとしてはあの考察は当たっていたのに、当の本人が拾い切れていないという、いつものパターンです…。唯一利回りが上がった三菱HCキャピタルは、株価ほぼ横ばいのまま増配で利回りを切り上げてきており、さすが連続増配の王様。
🎯 答え合わせ③:ソニーFGの「昇格予言」はほぼ的中
前回記事でこう書いていました。「ソニーFG(8729)も今はここ(利回り3%未満グループ)にいますが、通期の配当が発表されたら4%越えの銘柄群に昇格すると思います」。
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| 銘柄名 | コード | 株価(7/24) | 利回り(今回) | 利回り(3月) | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソニーFG | 8729 | 154.3円 | 5.18% | 2.60% | ▲大幅上昇 |
結果は予想利回り5.18%と、4%どころか5%台まで昇格。以前の徹底分析記事で「実質5%」説を検証した通りの展開になりました。予言が当たったのは素直に嬉しい。ただしPERは会社予想ベースで表示なし(金融株特有の事情)なので、中身は過去の分析記事も合わせて見てもらえると。
🚗 利回りが「上がった」組:自動車・エネルギー・薬品
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| 銘柄名 | コード | 株価(7/24) | 利回り(今回) | 利回り(3月) | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 7203 | 2,897円 | 3.45% | 2.86% | ▲上昇 |
| INPEX | 1605 | 3,761円 | 2.87% | 2.30% | ▲上昇 |
| 武田薬品工業 | 4502 | 5,648円 | 3.61% | 3.47% | ▲上昇 |
逆に3月より利回りが上がっているのがこの組。トヨタは株価が3,325円→2,897円と下げつつ増配も効いて、利回り2.86%→3.45%まで上昇してきました。関税問題で自動車セクターが売られている影響が数字にも表れています。X界隈でも「トヨタが3.5%になったら買いたい」という声をよく見かけるようになりました。INPEXも原油と共に調整して2.87%まで回復。この組は「下がったら拾うシナリオ」が現在進行形で機能しているゾーンです。
🆕 おまけ:X界隈で最近名前を聞く「新顔」たち
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| 銘柄名 | コード | 株価(7/24) | 利回り(今回) | PER(予) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本甜菜製糖 | 2108 | 4,960円 | 5.24% | 49.96 | 0.77 |
| TAKARA&COMPANY | 7921 | 4,320円 | 4.17% | 15.93 | 1.72 |
最近Xの購入報告でよく見かける2銘柄も調べてみました。日本甜菜製糖は利回り5.24%と目を引きますが、PERが約50倍と利益に対して配当が重そうな数字。「高利回りには理由がある」の典型かもしれないので、飛びつく前に配当の持続性(配当性向・業績見通し)の確認が必須だと思います。TAKARA&COMPANYは株主名簿管理などを手掛けるディスクロージャー支援の会社で、利回り4.17%・PER15.9倍とバランス型。この2つはいずれ個別に深掘りしたい。
まとめ:結局、高配当株の「買い時」っていつなんだ?
今回の答え合わせで見えた構図を整理すると、こうなります。
- AI相場が絶好調の間:資金はAI・半導体に一極集中。高配当株は置いてけぼりで株価は上がらないが、買おうとすると「もっと上がるAI株を横目に我慢する」精神力が要る
- AI相場が崩れた瞬間:逃げた資金が受け皿として高配当・バリュー株に流れ込み、指数が暴落しているのに高配当株は大して安くならない。今回まさにこれ
- 本当に安く買えたのは3月のような全面安の局面だけ:ただしそういう時は自分のPFも含み損だらけで、恐怖で買い増しの手が止まる(3月の私です)
- つまり今の相場では「日経平均の下落」=「高配当株の買い場」という等式がもう成立していない。指数を見ながら買い時を探っていると、ローテーションで資金が先回りしてきて、利回りが低下してから気づくことになる
そもそも日経平均自体、先週の急落を経てもなお3月末比+26.5%の水準にいます。急落当日ですらTOPIXは−1%程度しか下がっておらず、「暴落」の実態は日経平均に偏ったAI銘柄の調整です。つまり「AIバブルが弾けたら高配当株をバーゲンで拾おう」という皮算用は、資金ローテーションがある限り案外成立しないのかもしれません。待っていた暴落が来たのに、欲しい銘柄だけ下がっていない──今回のデータはその現実を突きつけてきました。
じゃあどうするのか。私の現時点の答えは、結局いつもの結論に戻ってきます。「この銘柄は利回り◯%まで来たら打診買い」というシナリオを先に決めておいて、相場の雰囲気ではなく水準で機械的に拾うこと。トヨタ3.45%、INPEX2.87%のように現在進行形で利回りが育っているゾーンを監視しつつ、来週からの決算シーズンの増配発表で利回り地図が塗り替わるのを待ちたいと思います。それでも「買い時」は難しい。皆さんはどう判断していますか?
(※あくまで個人の備忘録・考察であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数字の打ち間違いや情報が古い部分もあるかもしれません。投資を検討する際は必ずYahoo!ファイナンスや証券会社のアプリで最新の数字を確認しつつ、投資は自己責任で最終判断をお願いします。)
【おまけ】「この銘柄も利回り復活してるよ!」「新顔ならこれもおすすめ」といった情報があれば、ぜひコメントやXで教えてもらえると助かります。
Xでも日々の投資のぼやきや銘柄考察をつぶやいているので、気軽にフォローやリプライで絡んでもらえたら嬉しいです!【 https://x.com/Zundamontousi 】


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